【読書記録】『カフネ』阿部暁子 著 〜理解しあえない前提に立つこと〜

2025年15冊目の読了本は、
阿部暁子さんの『カフネ』。

今月、本屋大賞に選ばれた話題作をオーディブルで楽しみました。オーディブルの良さを改めて実感できた一冊。得した気分♪

この小説を通して感じたのは、「人は、どれだけ近い存在でも、すべてを理解しあうことはできない」という当たり前でいて、忘れがちな事実でした。

誰かの言動にイライラしたり、許せない!と思ったとき。その行動の裏に、どんな事情や背景があるのか。

一歩立ち止まって想像することができたら、人を受け入れられる幅が広がり、自分の心も少し軽くなる気がします。

また、小説では家族関係にも触れられています。家族であっても、わからないことはある。むしろ「家族だからこそ」重く受け止めてしまったり、愛情が重荷になることもある。

キャリアコンサルタントとして日々相談に向き合う中でも、「わかってあげたい」と思う気持ちが、時に相談者の負担になったり、こちらの価値観を押しつけるリスクがあることを感じています。

相談者一人ひとりの背景や事情を、勝手に決めつけず、「わからない前提」に立ち続けること。カフネを読んで、その姿勢を忘れずにいたいと改めて思いました。

物語の中で印象的だったのは、片付けができないことで苦しむ人たちと、それを支える「カフネ」の存在。

私はこれまで、「片付けられないほど追い詰められた」経験がなく、正直、そうした人たちの気持ちを十分に想像できていませんでした。

でも、最近ドラマ『対岸の家事』を見たことで、仕事・家事・育児に追われるワーキングマザーたちの現実を少しだけ知ることができました。

小説やドラマ、映画は、自分の知らない世界を教えてくれる。

それは、キャリア支援にも通じる大事な学びだと感じています。

片付けが得意な私にとっては、「カフネ」の一員として活動するのも悪くないかも?
そんな新しい可能性にも気づけた一冊でした。

読了日:2025.04.24

【まとめ】

•    人は他人をすべて理解できない前提に立つ
•    背景に想いを巡らせることで、人を許せる幅が広がる
•    小説・ドラマは、自分の視野を広げてくれる
•    キャリア支援でも「わからない前提」が大切

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