【読書記録】『婚活マエストロ』宮島未奈 著 〜「問い」を変えれば、関係性が変わる〜

2025年16冊目の読了本は、『成瀬は天下を取りに行く』の著者・宮島未奈さんによる最新作『婚活マエストロ』。今回もオーディブルで耳読しました。タイトルから女性視点の婚活話かと思いきや、物語は意外にも男性側からの視点で進みます。そして、舞台は婚活パーティーの運営側。婚活を「イベント」として支える立場の視点がとても新鮮で、まるで現場に立ち会っているようなリアルさがありました。

特に印象に残ったのは、プロフィールカードの「質問項目」の工夫について。

たとえば、「あなたの趣味は?」というよくある質問。これを「最近、楽しかったことは?」と少し言い換えるだけで、答えやすさや、相手の人柄の伝わり方がガラリと変わります。

このエピソードから感じたのは、「問いの立て方が、関係性の質を決める」ということ。キャリア支援の現場でも、まさに同じことが言えます。問い方ひとつで、相談者の語り出しやすさが変わり、その人の価値観や可能性が、より自然に引き出されていく。

「相手が答えやすい問いとは何か?」

「その人の本音があらわれる言葉の選び方とは?」

本書は、そんな“問いの力”についても教えてくれる一冊でした。

また、物語を通して伝わってくるのは、「何かを変えたいなら、まずは動くこと」の大切さ。迷ったり、臆病になったり、何となく立ち止まってしまう瞬間は誰にでもあります。でも、一歩動くことで初めて見えてくる景色や、新しい出会いがある。登場人物たちの成長や変化は、キャリアにおいても通じるものがあると感じました。

私自身、婚活パーティーに参加した経験も運営した経験もないのですが、「人と人をつなげる仕事」として、婚活支援もキャリア支援も通じる部分が多いと感じます。

どちらも、人生の大事な「選択」を支える仕事。そしてどちらも、相手の目線に立って、丁寧に設計することが求められる仕事です。

この小説は、そんな支援者としてのあり方を改めて考えさせてくれる作品でした。

読了日:2025.05.10

【まとめ】

•問いの立て方を工夫することで、人との関係性が深まる

•婚活もキャリアも「選択の支援」である点で共通している

•動くことで人生は変わりはじめる

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


メルマガはこちらから

無料です