【読書記録】『お守りのことば』松浦弥太郎 〜考えること、外に目を向けること、そして自由になること〜

2025年17冊目に読んだのは、松浦弥太郎さんの新刊『お守りのことば』。私は弥太郎さんの本をオーディブルで聴くことはなく、必ず紙の本で読みます。理由ははっきりしていて、「手元に置いて、いつでもめくりたくなる」から。ふと心を整えたいとき、数ページを読み返すだけで、視界が開けたり、気持ちがほぐれたりする。この本も、そんな一冊でした。

この本には、人生の節目や日常の選択の中で、ふと立ち止まりたくなるような言葉が並んでいます。なかでも、今の私の心に強く響いた3つの言葉を紹介します。

◆ まずは自分で考える

すぐに検索しない。人に聞かない。本で調べることもしない。諦めない。この言葉を読んだとき、「ああ、たしかに今の私は“正解”を探すことに慣れすぎているな」と感じました。何かにつまずいたとき、すぐにスマホで検索。もしくは誰かに答えを求めてしまう。もちろん、それが悪いわけではないけれど、「自分の頭で考える」時間をもっと大事にしたい。この「考える力」は、キャリアの場面でもとても大切です。

“今の自分にとっての最善は何か?”を他人任せにしない姿勢は、進路選択にも、仕事にも通じています。

◆ 世界を考える

大人になるとは、自己分析を卒業して、外の世界に心を向けること。「自己分析」は、キャリア支援の入り口としてとても重要なプロセスです。でも、そこで止まってしまっては前に進めない。「自分とは何か?」だけでなく、「誰と、どんなふうに関わっていくか?」へと視点を広げることが、真の成長だと感じます。読書もその手段のひとつ。知らない誰かの人生や世界を垣間見ることで、私たちの視野は大きく広がっていきます。

◆ もっと自由に

思い切って“自分らしさ”を捨ててみると、新しいスイッチが入る。自由になれれば、まっさらな「自分らしさ」がまた生まれる。キャリア支援の現場でも、「自分らしさ」にとらわれすぎて、動けなくなっている人によく出会います。

かつての私自身もそうでした。でも一度、肩書きや役割、これまでのイメージを手放してみると、案外自由で新鮮な自分に出会えるものです。“変わらない”ことが大事な時もあるけれど、“変わってもいい”と思えることも、実は大切な力。

この本は、答えをくれる本ではありません。でも、自分の中の問いにそっと光を当ててくれる、そんな存在です。今後のキャリア支援の中でも、この本で得た言葉や感覚は、きっと私自身のお守りになる気がしています。

読了日:2025.05.11

【まとめ】

•考える力を取り戻すことは、キャリアの主体性を育てることでもある

•自己分析だけで終わらず、視野を「社会」へと広げることが大人の学び

•“自分らしさ”に縛られず、自由に変化していく勇気を持つこと

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