
「壁打ち戦略会議」というサービスを始めます。
経営者や管理職、中間管理職など、組織やチームを動かす立場にある方が、今抱えている課題を話しながら整理し、「次に自分が何をするのか」を決めるための時間です。
なぜ私は、この人たちの壁打ち相手になりたいのか。
改めて過去を振り返ってみると、私は会社員時代、たくさんの「おじさん」たちに育ててもらってきたからだと思います。
「営業は、話すことではない」
入社してまだ若かった頃、私は営業なのに、うまく話すことができませんでした。
そんなとき、あるチームリーダーが教えてくれました。
「営業は、話をすることじゃない。いかに相手の話を聞いて、本音を引き出すか。それが営業や」
うまく話せない自分は、営業に向いていないのではないか。そう思っていた私にとって、とても救われる言葉でした。
振り返ってみれば、今の仕事でも大切にしているのは、こちらがたくさん話すことではありません。
相手の話を聞きながら、その人自身もまだ言葉にできていない思いや、本当に引っかかっていることを一緒に見つけていく。その原点は、会社員時代に教えてもらっていたのだと思います。
年末の店頭まで、見に来てくれた上司
入社2〜3年目の頃、年末に量販店の店頭で販売応援に立ったことがありました。
その頃の私は、肌の状態もかなり悪く、アトピーがひどくなったような状態でした。
そんな私を心配して、上司が店頭まで様子を見に来てくれました。
何かを手伝ってくれたわけではありません。それでも、自分が働いている姿をちゃんと見に来てくれた。そのことに、とても救われました。
何年かたってから、その上司が「あの年は、お前の店頭を見に行ってから実家に帰った」と話してくれました。
上司にとっては、何気ない行動だったのかもしれません。
誰かが自分のことを気にかけ、ちゃんと見てくれている。それだけで、もう少し頑張れることがあります。
初めて、上司の前で大泣きした日
プロジェクトリーダーを任された頃には、次々に仕事が上乗せされ、組合の役員まで任されそうになりました。
もう絶対に無理。
そう思った私は、初めて上司の前で大泣きしました。泣きすぎて、顔が腫れるほどでした。
そのとき、普段はとても怖かった部長が、私のカバンを持ってきてくれました。
人前を通れば、泣いていたことが分かってしまう。そのことを察して、カバンを持ってきてくれたのだと思います。
その後、飲みにも連れていってくれました。
「仕事で失敗しても、殺されることはない。ピストルで撃たれることもない」
「人間の能力なんて、そんなに大きくは変わらない。熱意ややる気、ちょっとしたタイミングで結果は変わる」
そんな話をしてくれました。
アクシデントさえ楽しめる部長と、できるだけアクシデントは避けたい私。仕事に対する考え方は、まったく違いました。
それでも、自分にはなかった見方を差し出してもらったことで、張り詰めていたものが少し緩んだことを覚えています。
なぜか、本音を話してもらうことが多かった
会社員時代は、上司や取引先の責任ある立場の方と、飲みながら話す機会も多くありました。
組織に対する不満や、上の人への愚痴。これから実現したい野望。時には、離婚や家族のことまで。
こちらから聞いたわけではないのに、なぜか本音や秘密を話してもらうことがありました。
取引先の方から、「程よい距離感の人ですね」と言われたこともあります。
私は、何かを解決できたわけではありません。否定せず、余計なことを言わず、聞いた話をほかの人に話さなかっただけです。
でも、話している間、その人たちは少し力が抜け、リラックスしているように見えました。
私も、信頼して話してもらえることが、うれしかったのだと思います。
「働かない人」が、見違えるほど働いた
50代の男性管理職と同じチームになったこともあります。
周囲からは「仕事をしない人」と思われ、みんなが不満を持っていました。
でも、その人はAccessを使ったデータ処理が得意でした。
そこで、本人が好きそうな仕事をお願いし、「私は分からないので、教えてください」と頼ってみました。
すると、見違えるほど仕事をしてくれるようになりました。
やる気がなかったのではなく、自分の得意なことを生かせる役割や、必要とされている実感を失っていただけなのかもしれません。
人は、正論を言えば動くとは限りません。
その人が何を得意としているのか。どんな頼み方なら動きやすいのか。何に存在意義を感じるのか。
少し見方を変えるだけで、その人の力が動き出すことがあります。
送別会で言われた「俺に研修してくれよ」
会社を辞めるとき、私の送別会を開いてもらいました。
その席で、これからは研修や、一人ひとりに寄り添う支援をしていきたいと話しました。
まだ、キャリアコンサルタントの資格も取っていない頃です。
すると、会社員時代にお世話になり、その頃すでに社長になっていた先輩が言いました。
「俺に研修してくれよ」
あの言葉がどこまで本気だったのかは分かりません。
でも今振り返ると、組織を動かす立場にいる人にも、自分自身について立ち止まって考えたり、誰かと話したりする時間が必要なのだと思います。
部下を育てるための研修だけではなく、経営者や管理職自身が、組織や人との関わり方、自分の役割について考える時間。
あのときの一言が、今になって「壁打ち戦略会議」につながってきたような気がしています。
管理職自身を見ている人は、案外少ない
部下を見る立場の人はいても、その管理職自身を見ている人は、案外少ないものです。
部下には話しにくい。上司に話すと、話が大きくなるかもしれない。同僚には、それぞれの立場や利害がある。家族に話しても、職場の事情までは伝わりにくい。
だから、一人で考え続けてしまう。
私は、管理職を外側から一方的に批判したいわけではありません。
私自身、男性の多い職場で働き、多くの上司や先輩に仕事を教わり、苦しいときには助けてもらいました。
そして振り返ってみると、立場のある人が肩書を少し下ろし、本音を話せる相手であることは、会社員時代から私が自然に担ってきた役割だったように思います。
今はそこに、17年間の会社員経験、管理職経験、そしてキャリア支援の専門性があります。
ただ話を聞くだけでも、一方的に答えを示すのでもありません。
話して、問われて、考えて、整理する。
必要に応じて、第三者として感じた違和感や、別の見方も率直にお伝えする。
そして最後には、「自分は、次に何をするのか」を持ち帰ってもらう。
それが、私が始める「壁打ち戦略会議」です。
かつて私を育て、助けてくれた人たちから受け取ったものを、今、組織や人を背負う立場にいる方へ返していきたい。
安心して本音を話し、もう一度動き出すための時間をつくりたいと思っています。
壁打ち戦略会議|モニター5名募集
現在、「壁打ち戦略会議」のモニターを先着5名で募集しています。
対象は、経営者、管理職、中間管理職など、組織やチームを動かす立場にある方です。性別は問いません。
組織や人に関する課題だけでなく、次のようなご自身の仕事やキャリアについてもお話しいただけます。
- 管理職になるか、ならないか
- 今の役割を続けるか、変えるか
- 今の会社に残るか、転職するか
- これから、どんな働き方をしたいか
「誰かに答えを教えてほしいわけではない。でも、一人で考え続けても整理できない」
そんなときに、社外の壁打ち相手としてお話を伺います。
最終更新日:2026年9月28日 (投稿者:nana)










この記事へのコメントはありません。