
私が20代、入社4年目くらいの頃のことです。
40歳くらいの男性上司が、女性部下との関わり方について悩んでいました。
仕事を頼むと、何も言わずに「はい」と引き受ける人がいる。
一方で、仕事を頼むと嫌な顔をする人もいる。
だからといって、その人には仕事を頼まないようにすると、今度は「どうして私には頼まないのか」という反応をされる。
「仕事を頼んでも怒られる。頼まなくても怒られる。女性は分かりにくい」
そんな話だったと思います。
当時の私は、「なるほど。管理職になると、そんなことにも悩むのか」と聞いていました。
上司は女性を悪く言いたかったわけではなく、部下とどう関わればいいのか、本当に迷っていたのだと思います。
「女性部下」と一括りにすると、かえって分かりにくくなる
今振り返ると、難しかったのは「女性の扱い方」ではなかったのかもしれません。
仕事をどんどん任せてほしい人もいれば、今の仕事量を見ながら相談してほしい人もいる。
頼まれた瞬間は少し戸惑っても、仕事そのものが嫌なわけではない人もいます。
また、仕事を任されないことで、「期待されていない」「評価されていない」と感じる人もいます。
これは女性に限った話ではありません。
仕事の受け止め方や、上司に求める関わり方は、人によって違います。
「女性はこういうもの」と考え始めるほど、目の前の本人が見えにくくなることがあります。
対等に接することと、全員に同じ接し方をすることは違う
私は会社員時代、男性の多い職場で働いてきました。
先輩や上司に分からないことを聞き、仕事を教えてもらい、会議や飲み会にも普通に参加していました。
女性だから特別に扱われている感覚はあまりなく、対等に接してもらったと思っています。
ただし、対等に接することは、全員にまったく同じ言葉や方法で仕事を頼むことではありません。
経験、得意なこと、現在の仕事量、本人が目指していることによって、適切な任せ方は変わります。
大切なのは、性別によって先回りして判断することではなく、本人を見ながら必要な情報を共有することだと思います。
仕事を頼むときに共有したいこと
部下の反応が気になるときは、仕事の頼み方を少し具体的にしてみると、受け止め方が変わることがあります。
- なぜ、この仕事が必要なのか
- なぜ、その人にお願いしたいのか
- いつまでに、どこまで進めてほしいのか
- 本人に任せる範囲はどこまでか
- 困ったときは、どの段階で相談してほしいのか
「これ、やっておいて」だけでは、相手は仕事の意味や期待されている役割をつかめないことがあります。
反対に、「忙しそうだから」「嫌な顔をされたくないから」と仕事を頼まないでいると、本人から成長や挑戦の機会を奪ってしまう可能性もあります。
推測するより、本人に聞いてみる
相手の反応が分からないと、管理職はさまざまな理由を推測します。
「この仕事はやりたくないのだろうか」
「負担に感じているのだろうか」
「自分の頼み方が悪かったのだろうか」
けれど、推測だけでは答えは出ません。
「今の仕事量はどうですか」
「今回の役割を、どのように受け止めましたか」
「仕事をお願いするとき、先に伝えておいた方がいいことはありますか」
そうやって本人に確認することで、初めて分かることがあります。
もちろん、何でも部下に合わせればいいわけではありません。管理職として伝えるべきことや、任せるべき仕事もあります。
そのうえで、決めつける前に一度聞いてみる。
「女性部下とどう接するか」ではなく、「この人とどう仕事を進めるか」と考える。
それだけでも、関わり方は少し変わるのではないでしょうか。
自分の中にある前提にも目を向けてみる
私たちは誰でも、これまでの経験をもとに相手を見ています。
「女性はこう考えるはず」
「若い人は責任を負いたくないだろう」
「年上の部下は変化を嫌うだろう」
こうした無意識の思い込みは、相手を理解する助けになることもあれば、目の前の本人を見る妨げになることもあります。
次回は、管理職とアンコンシャス・バイアスについて書いてみます。
一人で考え続けている管理職の方へ
部下との関わり方には、一つの正解があるわけではありません。
起きていることを言葉にしながら、相手との関係、自分の考え方、次に試してみることを整理するための「壁打ち戦略会議」を行っています。
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。










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